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サーボへの入力信号について

異なるメーカーの送信機-受信機では互換性がほとんどありません。 ただし、PPM(Pulse Position Modulation : パルス位置変調)では多くの場合、互換性があります。

サーボと受信機間では、異なるメーカーでも、ほとんどの場合互換性があります。
それは、各メーカー共通に、信号にPWM(Pulse Width Modulation : パルス幅変調)を採用し、パルス幅の範囲も共通しているからです。

受信機のサーボ出力信号波形は、このようになっています。

servo_signal_anime_0.gif

パルス幅(山の部分)が、1000μs ⇔1500μs⇔2000μsと繰り返し変化しています。
 (μs=マイクロ秒 1μs=10-6秒=0.000001秒)

※JR PROPOの場合

 -150%  -100% Nutaral   +100%  +150%
 900μs  1100μs  1500μs   1900μs   2100μs

となっています。 FUTABA他の場合は全体に+20μsずれています。ニュートラル信号は1520μsです。

パルス間(山から次の山まで)の時間は20,000μs(1/0.02=50Hz)です。

この50Hzのことを、取扱説明書などでは「サーボ周波数」などと記されています。

ただし、ハイスピードと称している受信機やジャイロ出力は、50Hzよりも高く、パルス間の時間が短く(山から次の山とが接近するように)なっています。

サーボ周波数は高いほど、応答は良くなります。
スティックを使った手動操作では50Hzで十分だと思いますが(?)、
ジャイロのような自動制御の場合、その装置の性能を引き出すため、高い周波数に設定します。

いったい、この50Hz、どこまで高くすることができるのでしょうか。
理論上は、山と次の山とがくっつかない周波数まで利用可能なので

1,000,000μs ÷ 2,100μs ≒ 476Hz となります。

実際、ジャイロのサーボ周波数を333Hzや400Hzなどに設定したりします。

<ナローバンド>
もっとサーボ周波数を上げたい!? ならばバルス幅を狭くすれば可能。 ということで生まれたのがナローバンドという規格で、従来のパルス幅を半分にしています。ニュートラル=760μs

<送信機でサーボ信号を確認する>

※JR PROPO DSX9 の場合

メニュー MONITOR 画面で確認できます。

dsx9_menu_monitor_01.jpg

パルス幅との対応は次のようになります。
ただし、ニュートラル1500μsの受信機を使った場合です。
dsx9_menu_monitor_03.png

トリムの数値1は1μsです。 つまり、トリムを20変化させれば、20μs変化します。サブトリムも同じです。

【重要】
JR PROPOの受信機はどうでしょうか?
ニュートラル信号は、個体差があります。しかも大きい! 20~30μsずれているものもあります。 温度ドリフトもあります。夏期と冬季では3~4μsずれています。トリム1コマですね。
温度ドリフトはしかたないとしても、ニュートラル信号に個体差があるのは許されませんね!
JR PROPO愛用者としては残念です。

送信機はどうでしょうか?
DSX9を2台持っています。 ほとんど個体差はありませんでした。 スティックを使ったch1~ch4においては、経年変化でバラつきやバックラッシュが発生し、3μs程度ずれていたりします。しかたないですね。

サーボはどうでしょうか?
JR PROPOのサーボは、それなりの分解能はもっています。 でも、他社にももっと良いものがあります。
粗悪なものもあります。 たとえばR????ブランドで売られている小型アナログサーボ、これは20μs以下の変化には追従しません。 つまり、ニュートラルが出ず、舵が残ります。

※入力信号の変化における分解能力のみについて書いています。


<デジタルオシロスコープを使ってパルス幅を知る>

rx_servo_check_01.jpg

rx_servo_check_02.jpg

CH1 +Widthの値が1.524msと表示されています。 1524μs ですね。

<サーボテスターの機能を使ってパルス幅を知る>

サーボテスターの中には、受信機の出力パルス幅を表示できるものもあります。
アストロホビージャパンから販売されているもので、RXと記述されている端子にオス-オスケーブルで受信機と接続するだけです。


rx_servo_check_03.jpg

1.52msと表示されています。 10μs未満は測定できません。

このサーボテスターについての関連記事が本ブログに掲載されています。


http://www.wcnet.jp/lily/blog0/2012/04/post_17.html#trackback

コメント (2)

解りやすく、たいへん参考になりました。
2.4Gは何故PCMではなく、PPMなんだろう?とか、基本的な事を
解っていませんが、ニュートラルの件、把握できました。

まーぴー:

今、資料(計測値)を作成中です。まもなくUPします。

JRもPCMの頃は、ピッタシ1500で、個体差もゼロでした。
しかし、2.4GHzになってからがひどくずれています。
想像ですけど
送信モジュール(一体か脱着式かの違いだけ)に送る信号がPPMだからかもしれません。


PPMだったら、なぜJR用とFUTABA用とがあるのか?
・コネクタ、筐体など、電気的・機械的な部分の違い。
・信号極性の違い(JRがPPMポジティブ、FUTABAがPPMネガティブ)←逆だったかもしれません。

正直、最近の技術は難しくてよくわかりません。

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2012年08月05日 10:59に投稿されたエントリーのページです。

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